マイホームを購入しようかなと思ったときに、まず考えるのが「新築にするか中古を買うか?」です。
リノベなしの中古住宅はただ古いだけなので、さすがに新築と比較すると見劣りします。
そのため、ここでは「新築vs中古リノベ」を3つの視点から比較してみたいと思います。
① デザイン性
【新築】:無個性で画一的なデザイン
建売の一戸建てや分譲マンションは、より多くの人に買ってもらえるようにあえて無個性で画一的なデザインにします。
そのため、どの物件も似たり寄ったりで、自分好みで納得のいく間取りやデザインに出会うのは難しいと思います。
また、一定の利益を出すために、どこでコスト調整するかというと”内装”です。
建物の構造など重要部分でコスト削減することは難しいため、内装にそのシワ寄せがいくことが多いと言われています。
広く流通しているローコストな建材が使われるため、どの物件も結果的に似たようなデザインになってしまうのです。
【中古リノベ】:自由設計
床を無垢材にしたり、コンクリ打ちっぱなしの壁にしたり、書斎や仕事部屋を作ったり、
アイランドキッチンにしたり、自分好みにオールカスタマイズできます。もはや注文住宅です。
② 立地
【新築】:好立地な新築住宅はなかなか出ない
これは普通に考えればわかりますが、駅チカに空いてる土地はあまりありません。
便利な土地にはすでに建物が建っており、好立地な土地が空くことはなかなかありません。
閑静な住宅街で、すぐ近くに子供が遊べる公園があって、スーパーも近くて、最寄り駅まで徒歩5分。
そんな新築物件はなかなか出ません。見つかったとしても高額物件が多いです。
【中古リノベ】:好立地な物件が見つかる可能性がある
便利な土地から建物が建っていきますので、古い物件ほどいい場所にあったりします。
中古住宅であればそこを狙えるわけです。
新築では絶対に無理な場所にマイホームを持てる可能性があるのです。
しかも、リノベーションで自分好みに間取りも設備もすべて新しくなるので中古リノベは賢い買い方と言えるかもしれません。
③ 価格・資産性
【新築】:余分な費用が価格に反映されている
大手ディベロッパーが販売する住宅は、土地の仕入れから販売・引渡しまでにおおよそ2~3年かかる一大プロジェクトです。
そこには相当数の人が関わっており、そこにかかる広告費も膨大な費用をかけます。
つまり、ディベロッパーが販売に要した費用(主に人件費や広告費)が価格に上乗せされます。
新築は「カギを開けた瞬間に資産価値が20%落ちる」と言われています。
その後、建物は20年を目安に価値はなくなり、土地のみの価値になると言われています。
【中古リノベ】:新築に比べて安く購入できる
「中古住宅はお宝物件が本当に存在する?」でお伝えしたとおり、中古住宅はお得に購入する手段があります。
また、資産価値の低下が止まる築20年以上の中古住宅をリノベーションすることで物件のバリューアップ(資産価値の向上)を図ることができます。つまり、資産性という点からも中古リノベは賢い手段と言えます。
出典:中古住宅流通、リフォーム|市場の現状|国土交通省
参考記事:「中古住宅の耐震って大丈夫なの?」
いかがだったでしょうか?
2016年、初めて中古マンションの成約件数が新築マンションの供給戸数を上回りました。
これは歴史的な快挙であり、中古住宅に対する価値感の変化、リノベーションの人気も後押ししていると言われています。
【2018年/参考データ】*1*2
・マンション 新築供給数 36,641件、中古契約数37,217件
・戸建て 新築成約数 5,266件、中古成約数 12,718件
新築はすべてが新しいので自分の条件に合致した物件であれば、新築に勝るものはないかと思います。
ただ、立地や間取り、設備や費用面などを総合的に考えていくと、理想の住まいを手に入れるには新築だとなかなか難しい側面があります。一方、中古リノベはバランスの取れた購入方法なので、ひとつの選択肢として取り入れてみてはいかがでしょうか。
(*1) 首都圏不動産流通市場の動向(2018年)|公益財団法人東日本不動産流通機構
(*2) 首都圏マンション市場動向(2018年)|株式会社不動産経済研究所