中古住宅を購入しようとしている方からの質問で一番多いのが”耐震”についてです。
「築何年までの中古住宅なら安全なの?」とよく聞かれます。
安全な中古住宅を購入するためのポイントを3つほどご紹介します。
① 新耐震基準を満たしている建物
新耐震基準とは1981年6月1日以降に「建築確認申請が行われた建物*1」です。
1978年に起こった宮城県沖地震(震度5)を踏まえ「より地震に強い建物の安全基準を作ろう」という目的で制定されたものです。
旧耐震基準は「震度5程度の地震でも建物が壊れない」。新耐震基準では「震度7程度の地震でも建物が壊れない」というより厳しい安全基準になっております。
但し、新耐震基準の建物であるという判断には留意点がありますので②で解説します。
② 新耐震基準を満たしているのは築何年?
結論から言うと、戸建てなら1982年以降、マンションなら1983年以降に建築された建物です。
①に記載の通り、1981年6月1日以降に建築確認”申請”が行われた建物が新耐震基準となりますが、
この申請の許可が降りるまでに、7日〜35日程度の時間がかかります。
例えば、1981年5月25日に建築確認申請を行ったとして、その許可が35日後の7月1日に下りたとします。そこから実際に建て始めると、マンションであればおおよそ8ヶ月くらい(完成は1982年2月以降)、戸建てであればおおよそ3ヶ月くらい(完成は1981年10月以降)となるわけです。
SUUMOやHOME’Sの物件情報に記載があるのは築年月(完成年月)なので、
戸建てなら1982年以降、マンションなら1983年以降の物件であれば新耐震規準の可能性が高いと言えます(購入時には不動産会社に確認をしましょう)。
この新耐震基準は住宅ローンで人気の「フラット35」の利用条件にも含まれておりますので重要な指標となります。
ちなみに、フラット35の新築年月日の基準は「1983年4月1日以降」の表示の登記を新耐震としています。
③ 住宅診断(ホームインスペクション*2)を実施する
中古住宅の購入を考えたとき、気になるポイントのひとつが「この物件にマズいところはないかな?」ということです。
新耐震だからといって、安心な中古住宅だとは限りません。
家も人間と同じように、きちんとしたメンテナンスをしていなければ健康状態も悪くなるものです。
購入しようとしている住宅に欠陥がないか、きちんと管理がされてきたかを総合的に判断してくれるがホームインスペクションです。外壁、内装などパッと見える部分だけではなく、専門家によるレポーティングをしてもらいましょう。
また、ホームインスペクションを実施して耐震評価基準を満たしていることが証明できれば「適合証明書」を発行してもらえるので、住宅ローンを組む際にも有利に働きます。費用に関しては、10〜15万円で実施してくれる会社が多いです。
「1981年6月1日以降に建てられた建物であれば大丈夫」と誤った認識をされている方も多くいらっしゃいますので、
中古住宅を購入する際はみなさま注意してください。
2020年現在では戸建てなら築38年、マンションなら築39年以内が”新耐震基準の建物”という目安になります。
(*1) 建築確認申請とは建物を建てる許可を取得する申請です
(*1) 建築確認申請日は建築確認証や検査済証に記載されています
(*2) 日本ホームインスペクターズ協会